平屋を検討される方の中には、「空間を有効活用したい」「2階建てと比べると部屋数が少なくなりそうで不安」などと思われるケースが多いです。
実は、平屋にロフトを取り入れることで、家族の存在を感じつつ、仕事や趣味を楽しむスペースを確保できます。
この記事では、平屋の住まいを検討している方に向けて、平屋にロフトを造るメリット・デメリットをまとめました。
ロフト付きの平屋の間取り例や、当社が手がけた平屋の施工事例も紹介しています。
快適で使い勝手のよいロフトを設置するための工夫を載せていますので、ぜひ家づくりの参考にしてみてください。

ロフトとは

そもそもロフトとは、建築基準法で「小屋裏物置等」と定義されています。
小屋裏とは屋根と天井の間の空間を指し、小屋裏の余剰空間を利用したものがロフトです。
なお、ロフトを検討するにあたって、以下3つの規制はぜひ覚えておきましょう。
- ロフトの面積は、平屋の場合は延べ床面積の2分の1未満、2階建ての場合は2階部分の床面積の2分1未満であること
- ロフトの天井高(床から天井までの高さ)の最も高い部分が、1.4m以下であること
- ロフトの床面積によっては、構造強度を保つ為に直下(2階建てであれば各階)の壁量を増やさなければならないこと
例えば、床面積が80㎡(24坪=48帖)の平屋にロフトを付ける場合、ロフトの面積は40㎡(12坪=24帖)より小さくする必要があります。
どれくらいの平屋を設置できるか具体的に知りたい場合は、住宅会社の担当者に相談してみてください。
平屋にロフトを造るメリット
平屋にロフトを造るメリットは、大きく以下の5つが挙げられます。
- プラスで使える空間
- 平屋にアクセント
- 費用負担の軽減
- 家族の声が届く
- 高い位置から採光を確保できる
メリット①
プラスで使える空間
平屋にロフトを設ける最大のメリットが、スペースをプラスできる点です。
- 収納場所
- お昼寝スペース
- 書斎やワークスペースなど
平屋はワンフロアで生活が完結させられるものの、2階建ての家に比べてスペースに制限が出がちです。
そこで、平屋にロフトを造れば、限られた空間にもゆとりが生まれます。
ロフト付きの平屋の住み心地が気になる方は、以下のインタビュー動画をぜひご覧ください。
メリット②
平屋にアクセント

平屋にロフトを造ることで、空間全体のアクセントになるというメリットもあります。
リビングをロフトから眺められたり、限られた小さな空間が日常とは少し異なる特別な居場所になったりするでしょう。
特に、お子さまにとってロフトは秘密基地のような気分を味わえるため、人気があります。
階段に手すりを設置したり、ハシゴを階段に変更したりするなどして安全面にも配慮すれば、子ども部屋としても利用可能です。
ロフトを設けることで縦の空間を有効活用でき、一般的な平屋にはないデザインの幅を持たせられるでしょう。
メリット③
費用負担の軽減
建築費や固定資産税に関して、2階建ての住宅に比べてロフト付きの平屋住宅のほうが、費用を抑えられることが多いです。
ただし、工事内容やロフトの大きさなどによっては、平屋のほうが高くなってしまうこともあるので覚えておきましょう。
長期的なランニングコストを考えても、平屋にロフトを造るメリットは大きいです。
具体的な費用に関しては、住宅会社の担当者に相談した上で、見積もりをもらって確認してみてください。
メリット④
家族の声が届く

ロフトならではのメリットとして、異なる空間にいながら家族の存在を感じられる点が挙げられます。
壁の無いロフトから声が届く一方、下にいる家族の気配も感じられます。
子ども部屋として利用している場合は、お子さまの様子も分かって安心です。
また、書斎であれば1人の時間を大切にしつつ、家族とのコミュニケーションを取りやすくなるでしょう。
メリット⑤
高い位置から採光を確保できる
平屋にロフトを造ることで、より高い位置から光を取り込めます。
平屋の場合、部屋の中央の採光確保が課題になりがちで、空間全体の明るさを保つ対策が欠かせません。
この点、ロフトを設けて窓を設置すれば、部屋の中央まで光を取り込みやすくなります。
ロフトに窓があることで、ロフトの居心地もさらに改善されるでしょう。
平屋にロフトを造るデメリット
平屋にロフトを造る際は、以下の5つをはじめとするデメリットも理解しておく必要があります。
- 熱がこもりやすい
- 天井が低い
- ハシゴの場合は危険&場所をとる
- 徐々に使用しなくなる
- 掃除がしづらい
デメリット①
熱がこもりやすい
ロフトは建物の屋根に近いため、熱気がこもりがちです。
特に、夏場は屋根への直射日光もあり、暑さ対策を施さないと熱中症にもなりかねません。
寝室や子ども部屋など、人が過ごす場所として利用する際は、断熱性能を高めたり窓を設置したりして、快適性を上げる工夫が必要です。
もちろん、エアコンや扇風機などで対策すれば、十分快適に過ごせます。
一方、冬場のロフトは暖かさを感じやすくなるので、暖房費の節約につながるでしょう。
デメリット②
天井が低い

ロフトの高さは1.4mまでという制限が法律で定められているため、天井高に関してはネックになりかねません。
体格にもよりますが、小学生くらいのお子さまであれば、立って移動できます。
大人の場合、椅子に座って作業などができても、移動の際は膝をついたりかがんだりする必要があります。
ロフトを人が過ごす場所として活用するなら、子ども部屋や寝室・書斎がおすすめです。
デメリット③
ハシゴの場合は危険&場所をとる

ロフトを上り下りする手段に関して、ハシゴを利用する際は注意が必要です。
特に、お子さまやご年配の方の場合、ハシゴから転落する危険が伴います。
安全面に考慮するなら、ハシゴではなく階段がおすすめです。
転落の可能性を大幅に減らせるだけでなく、階段下に収納スペースを確保できるので、空間を有効活用できます。
ロフトを使用頻度の低い物の収納場所として利用するなら、上り下りの回数も少ないのでハシゴにしてもよいでしょう。
ハシゴを使わない時は収納できるようにして、場所を取らない工夫も取り入れることをおすすめします。
デメリット④
徐々に使用しなくなる
ロフトの設置場所や空間の快適さなどにもよりますが、移動が大変だったり、上り下りが億劫になるといった理由から、徐々に使用する機会が減りがちです。
そもそも、平屋を選ぶメリットとして階段の上り下りが無く、安全で楽といった声が多く、ロフトも同様の理由で使用されなくなるようです。
せっかくの空間を無駄にしないためにも、家族構成やロフトの用途など、長期かつ複合的視点で検討しましょう。
なお、ロフトへの固定式階段や開閉式の窓、電気コンセントの設置については自治体の条例により設置できない、または設置するとロフトと認められない場合があるので、行政の担当者や住宅会社に確認してみてください。
デメリット⑤
掃除がしづらい
ロフトを設置しても徐々に使用しなくなる原因の一つとして、掃除がしづらい点も挙げられます。
上り下りの手段にもよりますが、掃除機を持ちながらハシゴを上るといったケースを想像すると、掃除が億劫になるのは無理もありません。
また、天井高は1.4m以下であり、かがみながら掃除をしなければならない点にも注意が必要です。
平屋にロフトを造る際の注意点
平屋にロフトを造る際は、以下の2点に特に気をつけましょう。
- 空間の制限
- 図面段階での確認は必須
注意点①
空間の制限

ロフトは天井高を1.4m以下にしなければならず、一般的な天井高に比べて1mほど低い点には注意が必要です。
ロフトを子ども部屋や寝室の代わりにした場合、子どもが飛び跳ねたり大人が立ち上がったりすると頭がぶつかる高さです。
あわせて、ロフトには広さの制限もあるため、毎日使用する部屋とした場合には窮屈さを感じることもあるでしょう。
ロフトは通常の部屋と同じように使用できるわけではない点には注意が必要です。
注意点②
図面段階での確認は必須
平屋にロフトを設ける際は、図面の段階で生活時のシミュレーションを必ず行いましょう。
ロフトは縦方向の空間を有効活用できる手段として合理的ですが、どのように使うのか、安全に使用できるかなど、基本的な項目は図面の段階で確認しておくことが大切です。
例えば、ロフトの使用頻度が多いのにハシゴを採用すると、毎回ハシゴを取り付けなければならず、取り付けの手間をストレスに感じてしまうでしょう。
使用上の利便性や実用性に欠けるような空間にしないためにも、図面段階でロフトの活用方法を確認するようにしてください。
以下の記事では、平屋の間取りをどのようにすべきか解説しているのであわせてご覧ください。
【関連記事】30坪の平屋は狭い?広い?3~4人家族が快適に暮らせる間取りプラン
ロフト付き平屋の間取り例
ここでは、ロフトのある平屋の間取り例を3件紹介します。
- on/offの空間を分けたロフトのある平屋
- 玄関からすぐに寝室へ行けるロフトのある平屋
- ロフトのある3LDKの平屋
間取り例①
on/offの空間を分けたロフトのある平屋

こちらのロフトはリビングに面しており、ダイニング・キッチンの上に配置しています。
生活空間として活用することを想定し、将来を見据えて上り下りが簡単にできるよう、ハシゴではなく固定階段を設置しました。
固定階段にすることで行き来のしやすさはもちろん、階段下に収納を設ければ空間を無駄なく有効活用できます。

ロフトからはリビングを見下ろせて家族との距離を近く感じられるのと同時に、リビング側は天井が高い為、開放的な空間が広がります。
また、吹き抜け部分とロフトに窓を配置しているため、採光の確保もバッチリです。
エアコンとテレビ配線も設置しているので、セカンドリビングやお昼寝スペースとしても活用できます。
外からの視界は遮られ、中からは見晴らしのよい空間になり、趣味や日々の生活を楽しめる場所になるでしょう。
間取り例②
玄関からすぐに寝室へ行けるロフトのある平屋

こちらの間取りも、リビングのテレビ台横から階段を上り下りする形でロフトを採用。
階段下には収納スペースを確保し、スペースを有効活用しています。
ダイニング・キッチンの上部にロフトがあり、ロフトの南北には窓が設置されているので採光の確保だけでなく、風通しも抜群です。
間取り例③
ロフトのある3LDKの平屋

こちらの間取りでは、玄関ホールを抜けてすぐのところに階段を設けて、ロフトへの荷物の運び入れや搬出がしやすくなっています。
今まで紹介した間取りと同様、リビング・吹き抜け・ロフトの南側に窓を設置したので、たっぷりと日差しを取り込むことが可能です。
平屋の間取りをもっと見たい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
【関連記事】平屋の実例集を間取り・外観・屋根の形・内装別に画像つきで解説
当社が手がけたロフト付きのおしゃれな平屋の施工事例
ここでは、当社で手がけたロフト付きの平屋住宅を3件紹介します。
- ロフト×吹き抜け×土間のある、動線が繋がる平屋の家
- 間接照明×勾配天井が開放的で落ち着く、収納力抜群の平屋
- セカンドリビングで大人時間を満喫できる「中庭×ロフト」がある平屋
施工事例①
ロフト×吹き抜け×土間のある、動線が繋がる平屋の家

8帖のロフトを設けたこちらの家は、吹き抜けリビングと上部に設置した窓から降り注ぐ日差しで、開放感もバッチリです。

ロフトにはダウンライトと窓を設置しており、お子さまがのびのびと遊べる空間になりました。
施工事例②
間接照明×勾配天井が開放的で落ち着く、収納力抜群の平屋

こちらの家では、ロフトをLDKに採用せず、寝室の上部に配置して十分な収納を確保しました。
キッチンは下がり天井(折り下げ天井)にしつつ、リビングは勾配天井にして、開放感がありながら落ち着く空間になっています。

小屋裏収納は9帖の広さがあり、必要に応じて荷物を出し入れするため、階段ではなくハシゴを採用しました。
すぐに使わない物を中心に収納し、実用性の高さはもちろん、居住空間に物が溢れることもないすっきりした空間となっています。
施工事例③
セカンドリビングで大人時間を満喫できる「中庭×ロフト」がある平屋

こちらの家では、ロフトに上がる階段下に作業デスクを配置し、空間を有効活用しました。
アイアンの手すりを採用し、ホワイトベースの空間を引き締めるアクセントに。

リビング上部の高窓からは明るい日差しが降り注ぎ、開放感もバッチリです。
中庭へと視線が抜けるので、プライベート感を保ちながら、つながりのある空間を実現しました。
群馬県でロフト付きの平屋を建てるならタカトーホーム

タカトーホームでは、「ココロとカラダにやさしい家をつくる」をモットーに、これまで多くのお客さまの家づくりに携わってきました。
平屋の施工事例も豊富で、珪藻土や無垢の床など自然素材を用いた家づくりを行っています。
群馬県内でさまざまなテイストのモデルハウスを公開しているので、当社の家づくりに興味がある方は、モデルハウスページから詳細をご確認ください。
また、当社では各種イベントも開催しています。
これから家づくりを始める方は、イベント情報ページから探してみてください。
まとめ
ロフトのある平屋で理想の住まいを実現

平屋にロフトを造るメリット・デメリットをおさらいしましょう。
メリット | デメリット |
・プラスで使える空間 ・平屋にアクセント ・費用負担の軽減 ・家族の声が届く ・高い位置から採光を確保できる | ・熱がこもりやすい ・天井が低い ・ハシゴの場合は危険&場所をとる ・徐々に使用しなくなる ・掃除がしづらい |
ロフトの設置には天井高や広さに関する制限があるため、図面段階で具体的なシミュレーションをすることが大切です。
本記事で紹介した内容を踏まえて、理想の平屋住宅を実現しましょう。
タカトーホームでは、さまざまなテイストのモデルハウスを群馬県内で公開しています。
当社でどのような家づくりが可能か見てみたい方は、モデルハウスページからお近くの会場を探してみてください。
ほかにも、当社ではこれから家づくりを始める方などに向けて各種イベントを開催しています。
イベント情報ページに詳細を掲載しているので、興味のあるイベントがあればぜひお越しください。
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