「サイディング」とは、外壁に張る仕上げ用の板材のことです。
サイディングは安定した品質を持っていたり、短い工期で施工できたりするため、人気を集めています。
しかし、デメリットを踏まえずに採用すると、「想像とは違った」などと後悔する場合があるので注意が必要です。
そこでこの記事では、外壁にサイディングを使うメリット・デメリットを解説します。
外壁にサイディングを使用した施工事例も紹介するので、参考にしてください。

外壁に使うサイディングとは

外壁に使うサイディングとは仕上げ用の板材のことで、サイディングボードとも呼ばれています。
サイディングには4種類があり、それぞれの特徴は下表の通りです。
種類 | 特徴 | 素材の特徴 |
窯業系 (ようぎょうけい) | セメントを主原料に繊維を配合して加工している主流のサイディングで最も利用されている色やバリエーションが豊富にある | セメント成形(タイル柄・石積柄など) |
金属系 | 柄の付いた金属板と裏打材で構成される軽量で建物への負担が少ないリフォーム時に採用される傾向にある | ガルバリウム鋼板など |
木質系 | 木材の表面を加工して耐火性などの機能を加えているナチュラルな雰囲気を感じられる | 杉・桧・レッドシダーなど |
樹脂系 ※ | 強度がある樹脂素材でできている耐久性が高くメンテナンスの手間が少ないアメリカやカナダで普及している | 塩化ビニル樹脂 |
※タカトーホームでは取り扱っておりません。
また、サイディングは短い工期で済んだり、工業製品のため品質が安定していたりするのもポイントです。
ガルバリウムが気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】外壁をガルバリウムにして後悔しない?メリット・デメリット・施工例を解説
外壁にサイディングを使う3つのメリット

外壁にサイディングを使うメリットは、以下の3つです。
- さまざまなデザインから選べる
- 雨水で汚れが落ちる商品もある
- 施工品質にばらつきが出にくい
1つでもメリットだと感じたら、サイディングの利用を検討してみてください。
メリット①
さまざまなデザインから選べる
サイディングはさまざまなバリエーションからデザインを選べるため、思い通りの外壁を実現できます。
サイディングのデザイン例は、以下の通りです。
- 木目調
- タイル調
- 石目調
- レンガ調
- コンクリート調
近年では塗装の技術が進化しており、細かな模様やリアルな質感を表現できます。
また、サイディング同士をつなげるためのシーリング材を必要としないモデルも登場しており、継ぎ目のない一体感のある仕上がりにできるのも特徴です。
メリット②
雨水で汚れが落ちる商品もある
サイディングは雨水で汚れが落ちる商品も多く、クリーニングの手間を省けます。
メーカーやモデルによって汚れが落ちる仕組みは異なりますが、機能の例は以下の通りです。
- 太陽の光が当たって有機物を分解し、付着力の弱まった汚れが雨水で流れ落ちる
- 太陽の光が当たると水と馴染みやすい物質が発生し、汚れの下に水が入り込んで流れ落とす
外壁清掃の回数を減らせるのはもちろん、外観の美しさを長期的にキープしやすいのも魅力だといえます。
メリット③
施工品質にばらつきが出にくい
サイディングは管理が行き届いた工場で生産され、現場作業も比較的簡単なため、施工品質にばらつきが出にくいです。
モルタルやタイルは繊細な作業が必要となるため、住宅会社によっても得意・不得意があります。
一方、サイディングであれば仕上がりに一定のクオリティを期待できます。
モルタルなどと比較すると施工に時間がかからず、人件費などの費用を抑えることも可能です。
外壁にサイディングを使う3つのデメリット
外壁にサイディングを使うデメリットは、以下の3つです。
- 材質によって耐用年数に差がある
- 定期的なメンテナンスは必要
- 熱を吸収しやすい場合がある
メリットだけで判断すると住み始めてから後悔する可能性があるので、デメリットもしっかりチェックしましょう。
デメリット①
材質によって耐用年数に差がある
サイディングは材質によって耐用年数に差があり、特に木質系は短い傾向にあるので注意してください。
サイディングの耐用年数は15〜30年で、素材による違いは下表の通りです。
材質 | 耐用年数 |
窯業系 | 20〜40年 |
金属系 | 20~30年 |
木質系 | 15〜30年 |
樹脂系 | 20〜30年 |
ただし、耐用年数はあくまでも目安で、メーカーやメンテナンス次第で変化します。
木質系は木材の表面を加工しているものの、雨水など水の影響を受けやすく、耐用年数が短くなりがちなので注意が必要です。
サイディングの材質を選ぶ際には、耐用年数も踏まえて検討しましょう。
デメリット②
定期的なメンテナンスは必要
サイディングの寿命が短くなってしまうので、定期的なメンテナンスが必要になり、手間や費用が発生するのがネックです。
メンテナンスをせずに放置すると、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
- カビの浸食
- 雨漏り
- 汚れ・コケの発生
- 色褪せ
- ひび割れ
汚れなどで外観のデザインを損なうだけでなく、ひび割れた部分から水が入り込むことも。
結果的に、カビや雨漏りなど、住宅内部にも影響を与える場合があるので注意しましょう。
デメリット③
熱を吸収しやすい場合がある
窯業系サイディングは熱を吸収しやすいセメント質の素材を採用しており、熱を吸収しやすいのが難点です。
遮熱対策をしないと室内の気温が上昇しやすく、冷房効率も悪くなるため光熱費がかかります。
窯業系サイディングを外壁に使う際には、サイディングの表面に遮熱効果のある塗料を利用しましょう。
外壁の種類が気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】【写真付】外壁の種類は何がある?特徴・メリット・デメリット・選ぶポイントを解説
外壁にサイディングを使用した施工事例3選
外壁にサイディングを使用した施工事例として、以下の3つを紹介します。
- 家事ラク動線が嬉しい、洗練されたシックな平屋の家
- 勾配天井×中庭のある生活動線にこだわった平屋の家
- 中庭と土間のある平屋の暮らし
サイディングを活用しておしゃれな家を建てたい方は、ぜひチェックしてみてください。
事例①
家事ラク動線が嬉しい、洗練されたシックな平屋の家

この家では「洗練されたシックな平屋の家」をコンセプトとしており、注目ポイントは以下の通りです。
- 落ち着いた色合いのサイディングを外壁に採用している
- 芝のグリーンでナチュラルテイストを演出している
ダーク系の落ち着いた色合いのサイディングを外壁に採用しているため、流行に左右されずデザインを楽しめます。
芝のグリーンを取り入れたことによりナチュラルテイストが加えられ、住宅全体に表情が生まれているのも特徴です。
また、タイルデッキを設置しており、休日にはバーベキューなど家族の時間を楽しめます。
勾配天井×中庭のある生活動線にこだわった平屋の家

この家は外観と室内からの眺めの両方にこだわっており、注目ポイントは以下の通りです。
- 2色の外壁を採用している
- 植物やウッド調のドアでぬくもり感を演出している
ダーク系とブラウン系の2色のサイディングを採用しているため、目を惹く個性的な平屋に仕上がりました。
駐車スペースをしっかり確保していることから、友人や親族を招きやすいのも特徴です。
また、室内からの眺めも独特な雰囲気を感じられ、おうち時間も充実します。

中庭にはリウッドデッキが設置されているので、大きな荷物をリビングやキッチンに搬入したい場合にも便利です。
事例③
中庭と土間のある平屋の暮らし

この家では上品なテイストのサイディングを使用しており、注目ポイントは以下の通りとなります。
- 外壁は優しい色味のサイディングで暗くなりすぎない
- レッドシダーをアクセントに取り入れている
外壁は優しい色味のサイディングで落ち着きがあり、中庭のウッドデッキや植物との相性も抜群です。
土間スペースの開口部にはレッドシダーをアクセントに取り入れているため、ナチュラル感がプラスされています。

なお、レッドシダーは水に強い材木なので、雨の影響も軽減できるのがメリットです。
施工事例をもっと知りたい方は、施工事例ページをご覧ください。
外壁にサイディングを用いて理想の家づくりを実現

「サイディング」とは外壁に張る仕上げ用の板材のことで、窯業系・金属系・木質系・樹脂系の4種類があります。
サイディングにはさまざまなデザインから選べたり、雨水で汚れが落ちる商品があったりするなど、多くのメリットがあります。
一方で、材質によって耐用年数に差があり、デメリットもあるので注意が必要です。
外壁選びで後悔しないためにも、実際に素材を確認してから選びましょう。
タカトーホームのモデルハウスで、ぜひサイディングをチェックしてみてください。
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